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- TamaTの開発事情 -
JamstackのCMSの比較:microCMS、Newt、Strapi、Contentful、の詳細な分析
2023.06.25
こんにちは!TamaTのSlales Managerの小野崎です!今日はJamstackのCMSについてお話しします!
近年、Jamstack構成でのWebサイト開発が主流になってきており、それに伴いヘッドレスCMSの重要性も増しています。特に日本では、海外発のCMSだけでなく、国産のCMSも充実してきており、選択肢が広がっています。
今回は、実際のプロジェクトでの使用経験を基に、日本発と海外発のヘッドレスCMSについて、それぞれの特徴や使い所をご紹介していきます。
弊社で実装経験のある、microCMS、Newt、Strapi、Contentfulについて深掘りします。
Jamstackとは何か?
Jamstackとは、JavaScript、API、Markupの頭文字を取った現代のウェブ開発アーキテクチャのことです。
静的なサイト生成とクライアント側のJavaScriptを使用して、ウェブサイトやアプリをよりパフォーマンスが高く、安全で、スケーラブルにします。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
CMSとは何か?
CMSはContent Management Systemの略で、ウェブサイトのコンテンツを管理するためのシステムのことを指します。
ウェブサイトの構築と管理を容易にするための様々な機能を提供しています。
CMSの利点
CMSの一番の利点は、技術的な知識がなくてもウェブサイトを容易に作成・管理できることです。
また、複数のユーザーが同時にコンテンツを更新できるため、効率的な作業が可能です。
CMSの一般的な特性
一般的なCMSは、テキストや画像などのメディアの投稿・編集、テーマとレイアウトのカスタマイズ、SEO設定などを可能にします。
また、多くのCMSはプラグインやモジュールを使って機能を拡張できます。
microCMS
概要
日本のヘッドレスCMS市場をリードする存在として知られるmicroCMS。2019年のリリース以来、国内の多くの企業に採用されており、特に使いやすさに定評があります。
条件によってはストレージ込みで無料で使うこともできるのも、多くのプロジェクトで採用される理由の一つです。
TamaTでも最も活用頻度が高いです。
特徴
管理画面は日本語に最適化されており、直感的な操作が可能です。
コンテンツ型の定義から公開までの流れもスムーズで、技術担当者でなくても迷うことなく操作できます。
また、画像の自動最適化機能も備えており、パフォーマンスチューニングの手間を大きく削減できます。
利点
- 日本語UIと充実したサポート体制・豊富なドキュメント
- 直感的な管理画面による優れた操作性
- 手頃な価格設定
欠点
- カスタマイズ性はやや限定的
- グローバル展開向けの機能は必要最小限
Newt
概要
新世代のヘッドレスCMSとして注目を集めているNewt。
GraphQLとRESTful APIの両対応や、モダンな開発環境との高い親和性が特徴です。
こちらも条件によっては無料で使え、スタートアップや中小規模のプロジェクトに魅力的です。
特徴
開発者フレンドリーな機能が充実しており、特にAPI周りの柔軟性が高いのが特徴です。
Webhookを使った外部サービスとの連携も容易で、複雑なシステム構築にも対応できます。
管理画面のUIも洗練されており、コンテンツ管理者にとっても使いやすい設計になっています。
利点
- モダンな開発環境との優れた親和性
- 柔軟なAPI設計
- 充実した外部連携機能
- 使いやすい管理画面
欠点
- サービスの歴史が比較的浅い
- 事例やノウハウの蓄積がまだ少ない
Strapi
概要
オープンソースのヘッドレスCMSとして世界的に人気の高いStrapi。
セルフホスティングが可能で、データ管理の自由度が高いのが特徴です。
特徴
管理画面のUIからAPIの挙動まで、あらゆる部分をカスタマイズできるのが最大の特徴です。
プラグインによる機能拡張も自由自在で、プロジェクトの要件に合わせて細かな調整が可能です。
また、セルフホスティングによりデータの管理を完全に自社内で完結できるため、セキュリティ要件の厳しいプロジェクトとの相性が抜群です。
TamaTでも30にも及ぶコンテンツ管理が必要な場合は、運用コストを鑑みてセルフホスティングできるStrapiを用いたことがあります。
利点
- 高度なカスタマイズ性
- データ管理の自由度
- 活発なコミュニティ
- コスト効率の良さ
欠点
- 導入・運用に若干技術力が必要
- 自社でのホスティング管理が必要
Contentful
概要
エンタープライズ向けCMSの代表格として知られるContentful。
グローバル展開を視野に入れた大規模プロジェクトで特に力を発揮します。
無料プランから本格的なBasicプラン(月額300ドル)まで、プロジェクトの規模に応じて選択可能です。
特徴
多言語対応の充実度は群を抜いており、グローバルサイトの運用に必要な機能が揃っています。
ワークフロー管理機能も非常に優れており、大規模なチームでの開発や運用をスムーズに行えます。
開発者向けのツールも充実しており、大規模プロジェクトでの開発効率を高めることができます。
また、GraphQLとRESTful APIの両方をサポートしており、開発の柔軟性も確保できます。
利点
- 充実した多言語対応
- 強力なワークフロー管理機能
- 豊富な開発者ツール
- 安定した運用実績
欠点
- 有料プランは比較的高額
- 日本語対応は他の機能に比べると限定的
よくある質問
- 「ヘッドレスCMS」と従来のCMS(WordPressなど)との違いは何ですか?
ヘッドレスCMSは、コンテンツの管理と表示を完全に分離しているのが特徴です。APIを通じてコンテンツを配信する仕組みにより、フロントエンドの技術選択が自由になり、セキュリティや表示速度も向上します。また、複数サイトや別プラットフォームで同じコンテンツを活用できる点も大きな利点です。
- サイトの規模が成長した場合、CMSの移行は可能ですか?
移行は技術的には可能ですが、コンテンツ構造の設計やAPIの違いを十分に検討する必要があります。ただし、移行には手間がかかるため、初期段階で将来の成長を見据えたCMS選定をすることをお勧めします。特にグローバル展開や機能拡張の可能性がある場合は、初めから拡張性の高いCMSを選択することで、後々の負担を軽減できます。
- WordPressからのコンテンツ移行は可能ですか?
データベースの移行は慎重に計画を立てて進める必要があります。TamaTでは、移行プロジェクトを以下のステップで実施します。
まず既存コンテンツの調査と分析を行い、新しいコンテンツ構造を設計します。
その後、専用の移行ツールを開発し、テスト環境での検証を経て本番移行を実施します。特に画像データの移行や投稿の関連付けには細心の注意を払い、データの整合性を保ちながら作業を進めます。
- どのCMSを一番使いますか?
TamaTはmicroCMSを選定するシーンが多いです。日本企業のニーズに最も合致するためです。
管理画面が日本語で直感的に作られており、サイトの更新担当者様の学習コストが低く抑えられます。また、日本企業文化に合わせた手厚いサポートが受けられ、トラブル時の解決もスムーズです。
まとめ:プロジェクトに最適なCMSの選び方
以上の比較を踏まえると、プロジェクトの特性に応じて以下のような選択基準が考えられます:
- 日本国内向けの一般的なWebサイト → microCMS
- Eコマース、複雑なデータ構造のサイト → Newt
- 更新コンテンツ量など高度なカスタマイズが必要なプロジェクト → Strapi
- グローバル展開を視野に入れた大規模サイト → Contentful
ただし、これはあくまでも一般的な目安です。実際の選定では、予算、運用体制、開発チームの技術リテラシー、将来的な拡張性など、様々な要素を総合的に判断する必要があります。
弊社では、お客様のプロジェクトの特性や将来の展望を丁寧にヒアリングした上で、最適なCMSをご提案させていただいています。CMSの選定でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。