BLOGS
- TamaTの開発事情 -
同じ案件にいなくても、チームで学べる。別案件の知見はどう移っているのか

2026.09.28
一人で案件を担当していると、そこで得た技術や判断は、自分の中にだけ積み上がっていく。困ったときに頼れるのも、基本的には自分が過去に扱った事例だ。
TamaTでも、田中と増田は普段それぞれ別の案件を担当している。案件の進め方や技術の選び方は、担当者が自分で判断する。それでも、片方の案件で得た経験は、もう片方の案件へ移っている。
どの知見が、どの経路で、どちらの案件へ移ったのか。過去3回の対談では、田中が作ったAI実装アプリ、AIコーディングツールの使い分け、案件が重なった月の分担を取り上げてきた。第4回は、別々の案件を持つ2人が、互いの経験をどう学び合っているかを振り返る。
別の案件から、何が見えて何が渡ったか
増田: たけさん(田中)は、自分が入っていない案件のことって、どこまで把握してますか。
田中: 増田の案件なら、概要と技術スタック、インフラくらいは把握してるよ。既存の類似サービスからのリプレイスで、Next.jsとSupabaseを使っていることとか、外部のDBと同期させる構成になっていることとか。事業やサービスの趣旨も一応頭に入れてる。
増田: そこまで把握してもらえてるんですね。
田中: 普段よく話すのは、そのリプレイス案件のクライアントとのやりとりかな。あとは、もう一つの案件のプロジェクトの進め方。
増田: そうですね。リプレイス案件はクライアントとのやりとりがなかなかハードなので。実装の中身より、そっちの話をしてる時間のほうが長いかもしれないです。
田中: 技術の話だと、増田のほうは最近こっちから拾った話ってある?
増田: いくつかありますね。一つは、大規模なmonorepoサービスでNext.jsを剥がしてTanstack Routerに切り替えた事例です。あとはStrapiの導入と、CMSとしてのカスタマイズ性の高さ。それから、zellijのTUIの話も、たけさんから聞いた内容ですね。たけさんは逆に、こっちから持っていったものってあります?
田中: AstroのDXについての話かな。あとは大規模メディアのWordPress移行のノウハウ。画像移行のスクリプトとか、ああいう実務的なところ。それと、増田がClaude CodeやCodexのマーケットプレイスに反映してくれている知見。
同じ案件に入っていなくても、田中は増田の案件の概要、技術スタック、インフラ、事業の趣旨までは把握している。普段の会話ではクライアント対応やプロジェクトの進め方が話題になり、技術の面では、ルーティングやCMSの選定、WordPress移行のスクリプト、AIスキルマーケットプレイスに反映された知見が、それぞれの案件から相手へ渡っていた。
知見が動く経路
増田: 知見ってどこから動き始めることが多いですかね。
田中: 日報か、口頭で直接相談するところから始まることが多いよね。ちゃんと残したいものは、社内Slackの「AI開発研究室」チャンネルとか、まとまった内容だったらZennに書く。
増田: あとは、雑談とかランチで話すことも多いですよね。あとはAIスキルマーケットプレイスに置いておくと、暗黙のうちに共有できてる感じもありますね。ちゃんと残すものはZennですけど。
田中: 「これすごいの出たな」って感動したやつは自ずと共有するようにしてるな。
増田: わかります。あとは、社内でまだ扱ったことのない実績とか出たら積極的に伝えていますね。
聞いた知見を、どう使うか
増田: 相手の案件でうまくいった話を聞いても、そのまま自分の案件に持ってくるわけじゃないですよね。たけさんは何を見て決めてます?
田中: 一番見るのは、実案件にフィットする内容かどうかだね。フィットしなければ、いくら良い話でも使わない。増田は?
増田: 自分は、聞いたその場で使うことはあまりないです。知見としてストックしておいて、必要になったタイミングで引っ張り出す感じですね。まあ、そもそも別々の案件をやっていることが多いので、意見がぶつかること自体もあまりないです。
田中: 今のやり方で、共有がうまく回らなかった場面はある?
増田: 手戻りが起きたことは、特にないですね。ただ、今後人数が増えたら、共有するための仕組みは作ったほうがいいだろうなとは思ってます。
田中: 自分も、今は雑談ベースの共有がほとんどだから、定期的にシェアする時間は設けたほうがいいと思ってる。
仕組みにしたいこと
増田: WikiやAIで、もっとこうしたいっていうのあります?
田中: Wikiとマーケットプレイスは、もう一通り整えてある。あとやりたいのは、過去のSlackのログを何かで追えるようにすること。Hermes Agentとかで自動でログと追跡ができると理想だな。
増田: 自分は、どの技術スタックがどの点で優れてるかを、双方向で議論できる場が欲しいですね。あとはドキュメントや知見をNotebookLMで音声化して、オフィスでラジオみたいに流したいなとか思ってます。
同じ会社だから共有できること
増田: 同じ会社で学び合うのって、フリーランス同士の情報交換と何が違うと思いますか。
田中: 利害関係が一致してるから、失敗したことや、競合には隠しておきたいような知見まで出てくることだと思う。
増田: 確かに。そういうのを雑談からでも共有してくれると普通に役立ちますよね。そう考えると、知見の共有自体を雑談のように楽しくできる人はいいですよね。共有がタスクにならない人というか。
田中: そうだね。共有もだし、そもそも好奇心があって、新しいトピックをちゃんとキャッチアップできる人。しかも、実際に試した実践値として共有できる人でチームを組みたいな。
最後に
増田: 別々の案件をやってるのに、なんで「同じチームで開発してる」って言えるのか考えてたんですけど、別案件の実績や知見が積み上がっていくので、困ったときに頼れる過去事例が、一人でやってるときの倍以上あるんですよね。実装事例がそのまま残ってることもあるので、そこにAIに情報を読ませたりすると、なおさら安心材料になります。
案件を持つ裁量は、それぞれに委ねられている。それでも、経験は担当者の中だけに閉じない。別の案件で得た判断が知見として渡り、必要になったときに引き出される。そうやって積み上がった過去事例は、一人で案件を抱えていたときよりも多い。
一人で案件を動かしながら、経験まで一人で閉じたくない方へ。TamaTの仕事と働き方に興味があれば、採用サイト をご覧ください。
